こんばんは、taka@です。
先月、SEIKOの大きなパタパタ時計が、当方のコレクションに仲間入りしました。
1960年代を連想させるなんともレトロな時計で、SEIKOに問い合わせてみると1966年発売だそうです。
空港の反転フラップ表示でお馴染み、イタリアの会社「Solari di udine」の60年代のデジタルクロックと同様の機構が採用されています。
実際に入手してみると、電気式と思いきや内部は機械式時計そのもの。カレンダー付きとは言えど、数あるパタパタ時計を見てきましたが、ご覧のとおり文字盤が横に切り替わるようなモデルは初めて入手しました。
家庭用ではなく、会社や学校向きの製品で、横幅が42cmもあります。
SEIKO MSD-991
10石機械式時計です。モーターで一定にゼンマイを巻き上げているので、そこそこ精度が期待できます。
外枠は金属製。故に重量は5kgでかなり重みがあります。
カラーはグレー×クリーム色。非常にモダンで暖か味のあるデザインです。
セイコークロックより取り寄せた当時のカタログ(資料)です。
定価39.000円。現在の値段に換算すると30万超でしょうか。
設置例として「☆官公庁、会社、銀行のカウンター、ホテル、劇場のロビー、学校の受付、トラベル・エージェンシーなどに最適です。」と書かれており、実際に使用されている資料があれば是非見てみたいものです(^_^)
内部です。
モーターでゼンマイを巻き上げるので周波数を問いません。かなり複雑で、完全に分解するにはマニュアルが必要ですね...
前面のカバーは比較的簡単に外れます。
外枠から分離するには露出しているネジを外します。これがまた硬いのです(汗)
秒針の役割でもある赤色の動作シグナル。
私は古い車の方向指示器を思い浮かべてしまいました。
フルオートのカレンダー機構です。
時刻カードは金属製。
上部にある一つ一つのバネにテンション掛かっており、カードはカムと爪で止まっています。
重力には関係無い構造。
丁寧な作りですが、長年使われてなかった為、油切れでガチガチになっていました。
メカの一部にOMRONのSWが使用されてます。
時間とカレンダーを連動させるギア。
うるう年設定のダイアルです。
テンプ部分の軸受けには10石の人工ルビーを採用。
日常で使う分には十分な精度が得られます。
フラッシュを炊くと分かりやすいです。
なお、アナログ時計では7石が普通だったりしますが、10石はある意味中途半端な数と言えます。
大きさや豪快な動作音は存在感抜群です(笑)
単一電池と比べるとこんな感じ。
焼付塗装仕上げと言うことで、外観は綺麗な仕上がりですね~!
この角度から見てみると、アクリル系の風防カバーが良い具合に飛び出てます(笑)
この歪曲がたまりません(笑)
右側面。
このレバーを上下することで、”分”を進めることが出来ます。
ゼンマイのトルクを使うので、ある程度進めるとトルク不足でめくれなくなります。
30分位進めるのが限界でしょうかね...。
このレバーを上に固定したままにすると、秒を止めることが出来ます。
左側面。特に何もありません。
カレンダー部分。”月”の表示がないのが少し物足りないかも。
土曜・日曜だけ色付けされています。
内部の金属カバーも角が丸くなって、デザインの配慮がなされています。
SEIKOのロゴは旧ロゴでしょうか。
秒針の役目を果たすシグナル。
60秒で赤色のカードが下まで下ります。
カタログでも把握できますが、壁掛けと置き時計を選択できるようで、こちらは置き時計のパーツがついていました。
背面。
ノブのあるフタを開けると...
詳細な設定ができるようになってます。
曜日・日にちを設定する場合は「SETTING-LEVER」を上にあげます。
「TIME」を押すと時間を進めることが可能。
「MONTH」のダイアルですが・・・
蓋の裏面に設定方法が表記されていました。
うるう年の設定は色分けで設定するようです。
しかし時代を感じます(笑)
型番。
壁掛けパーツをはめる穴と、その上が緩急針の蓋が。
大型の設備時計とも言える製品ですが、良好な状態で今日まで残っていたのは奇跡です。
時代の反映が感じられる外観こそ、産業遺産として残る素晴らしいプロダクトデザインではないでしょうか?
意匠登録されている所も流石。
コレクションの核になりそうなMSD-991。大切にしていきたいです。
※2013/11/30追記
突然ですが MSD-991を3万円で 譲っていだけないでしょうか
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