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2017年12月12日火曜日

ルミタイム KT-204 修理依頼

こんばんは、taka@です。

今年の6月頃ご依頼頂いたルミタイムの修理依頼です。

オーナー様曰くこの手のレトロなグッズが大好きだそうで...メールのやり取りをしているうちに実に気の合いそうな方でした( ´∀`)

2世代目に当たるKT-204シリーズですが、故障の定番といえば交流モーターのピニオンギアの摩耗やベアリング不良等ですが、この個体はネオンランプが低寿命の物に交換された改造品でした。
届いた時の状態。殆ど真っ暗で明らかに様子がおかしいです...!

そしてブラックレンズにグリーンのネオンは組み合わせ的にあり得ないので、発色もおかしく、ヤフオク等でこの様な改造品がやや目につきます。

かなり小さいタイプのグリーンネオン。常時点灯な時計向きでは無いような?
しかしながら基盤を見ると抵抗も怪しい...

この様に抵抗の向きも不揃いです。
ルミタイムの場合抵抗の向きは殆ど同じですのでここも交換歴があるのかもしれません。

幸いにもかなり状態の良いKT-204シリーズ用内部ユニットが手持ちでありましたのでこちらと交換します。

第二世代のユニットはアラーム付きでも再合わせが不要で整備が楽です。

下が正常なユニット。ギアボックスのみ欠品だったので有効活用出来ました。

数日のテストの後磨き上げて完成です。

やはり初代に比べて小ぶりになった分、物足りなさを感じる方もいるかもしれません。ですが秒針のダイヤルがデュアルネオン仕様なので明るく、全体的にくっきりとした表示になりました。

どの角度からでも良いデザインです♪

オレンジの数字、ボディの赤と黒がこれまたよく似合います。今でもファンが徐々に増えているルミタイム。これから品薄になっていくのかもしれません...(・_・;)

後日オーナー様から送って頂いたお写真↑
一番見やすい特等席だとか( ´∀`)

周りのレトログッズがイカしてます♪一緒に写ってるコアラのぬいぐるみ、実は小さい頃大事にしてた物と同じで驚きました(笑)

これからも大事になさってください♪

2017年7月31日月曜日

National ヤングスヤスヤ パタパタ時計 修理依頼

こんばんは、taka@です。

今回の修理依頼は松下電工製の時計の中でも有名な”ヤングスヤスヤTG02”です。
実は私もこれを機に欲しくなり、ホワイトモデルを入手しました(笑)

近年、某銀行のCMにも登場し、オークションでも動作品は必ず落札されるなど、レトロなデジタル時計の中でも人気の機種であります。

カラーは3色のオレンジ・グリーン・ホワイト。フロントフェイスなどはブラックでありツートンカラー。パタパタ時計と呼ばれておりますが、正確にはドラム式のデジタル時計です。

70年代、SANKYOやSEIKOなどもドラム式のデジタルを作っておりましたが、TG02の様なフリップが貼り付けてあるタイプは、当時の米国GE社やセストーマス社から多数製造されました。それらはフリップドラムクロックと呼ばれています。

依頼者の方から預かったTG02はオレンジタイプ。時計が突如不動となったとの事です。
早速分解します。
交流モーターから音がせず、駆動ギアの寿命とは違うようです。

画像では分かりづらいですが、コイルが焼けて断線しておりました。
これは修理不可ですので同等のパーツを探したところ、奇跡的に未使用のモーターの入手に成功( ´ー`)

左側が新品のモーターです。ソケットの様にポン付出来るところは流石松下と言えますね。

時計照明用のネオンランプは輝度は落ちてませんでしたが、交換を希望されましたのでこちらも新調します。
組み上げて完成です。
しっかり動作しています。アラームは定番のブザーですが、止めてもまた約5分毎鳴るスヌーズ機構付きです。当時のタグには「毎朝、確実に起こす デジタル無遅刻時計。」と謳っており、ネーミングにヤングと書かれていることから、学生や新社会人をターゲットにしていると思われます。

ブランドを意識させませんが、さり気ないNationalロゴがイイ感じです♪
上から覆いかぶさるようなデザインが特徴的です。

ビビッドなザ・オレンジカラーが今見ても十分イケてます(*´ω`*)
左右は調節つまみ以外何もなくシンプル。
電源周波数はレバー切り替え式で、引っ越しの際も安心設計となっています。電源周波数に同期する時計はほぼ狂いが出ないので安心して使えますね。
無事動くようになったヤングスヤスヤTG02
オーナー様の机の上で永く愛用されることでしょう(*^^*)今回はモーター部品代だけ頂戴致しました。

2017年2月18日土曜日

Panasonic RC-6015 修理依頼

こんばんは、taka@です。

今回は映画”Back to the Future”に登場する、クロックラジオの修理依頼です。

私のパタパタ時計好きになったきっかけでもある、Panasonic RC-6015と云うモデルです!過去にeBayにて状態の良いのを落札したことがありましたが、現地(アメリカ)の倉庫で粉砕してしまい、取引が中止になった苦い思い出があります(泣)

そんなマーティの部屋にあるパタパタ時計、映画のプロップとしては人気のある物で、80年代をイメージさせるデザインが今なおマニアを魅了させます。

海外勤務をされている依頼者の方が帰国され、当方の所に時計が到着しました。
届いた時の状態。とても味わいのある状態です。

とは言え、前面のプラスチック部分には何やら有機溶剤で溶けたような痕が・・・これは元の状態に復活させるのは困難です。それと四隅からも見受けられる虫の多さ...!

症状としては時計不動のみでラジオやアラームは問題ない様子でした。

時計は周波数に同期するシンクロナスモーターで、6015は米国60Hzのみの仕様でした。シャーシ設計など国内モデルのNational RC-6035やCOPAL FP-124と同様に、周波数切替用の穴がありますが、切り替えレバーがありません。

設計がほぼ同じことから、国内モデルのいずれかのモーターを移植することが可能かもしれません。

内部を開けると電球部分に虫の繭が(ーー;)
古い家電を分解するとよくあるので慣れてしまいましたが、大物の害虫などいた時はやはりビビりますね...。

右が部品取りの良品なRC-6035から摘出したモーター。
ヘルツ切り替えレバー以外はフレームも全く一緒です。このシリーズは基盤に半田で取り付けるタイプで、電圧も10Vに減圧されています。

モーター取り付け後、新しい麦球も同時に半田付けします。ブルーのカバーで覆うので、多少涼しい色合いになりますね。
因みに映画では電球が切れている様子です。

問題のプラスチックの劣化部分、ひたすら磨きます。文字やエッジのプリントが剥げぬよう繰り返しマスキングを施して地道に作業していきます。

完成しました!
時計の方は50Hzで正確に動くかどうかを、他の時計と数日間テストして問題ないことを確認します。

水平基調ながらエッジの柔らかな前面パネルが特徴的です。木目の風合いも輸出向けに多い印象です。
アラームはラジオとブザーの二種類で、電子アラームの基盤はありませんでした。

木目調であることを趣旨するステッカー。実は本体がシンガポール製だったりします。

COPALと並べてみました。
上面のつまみや各種ダイヤルなど殆ど同じと言うことが分かります。

裏面には本来存在しない周波数切り替えレバーが覗かせます!恐らく50Hzに対応した6015はこれが初めて?かもしれません!

蘇った日本仕様の6015、これからもオーナー様の元で元気に時を刻んでほしいですね!
私も早く自分用が欲しい...( ˘ω˘)